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講演

「ドクターヘリ!! 救急医療への貢献と災害時のドクターヘリの役割」

​愛媛大学 救急医学講座・救急航空医療学講座  佐藤格夫 教授

 

5/19(日) 14:00〜15:30

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 フライトドクター・フライトナースになりドクターヘリで活躍したい!! と医学部を目指す高校生や中学生の皆さん!ドクターヘリって実際はどんななの?と思っている医学祭への参加者の方々にわかりやすく、『愛媛県でのドクターヘリでの活躍』と『災害時のドクターヘリの役割』ということを中心に、お伝えしたいと思います。

【医学祭での講演ということで医学部学生以外の方も来られると伺っています。】
愛媛県ドクターヘリの運航が2017年2月1日から始まり、2年が経過をしました。愛媛県をドクターヘリの事業主体として、愛媛県立中央病院を基地病院、愛媛大学医学部附属病院を基幹連携病院として運行を行ってきました。今までに約700件の要請があり、500件以上の出動をしています。
ドクターヘリの運航は8時30分から17時15分で、要請のあった時点で気象条件などを加味しながら患者の状況を判断して出動可能であるか決定します。県立中央病院の担当は週4日であり、愛媛大学医学部附属病院の担当は週3日です。県立中央病院の担当である日は県立中央病院の屋上ヘリポートにドクターヘリは待機しています。一方、愛媛大学の担当である日と週末の土曜日、日曜日は松山空港にドクヘリは待機をしています。ドクターヘリ運航にはチーム連携、コミュニケーションを円滑に行うことが必須です。コミュニケーションスペシャリスト(以下、CSという)は、ドクターヘリの運航管理、消防機関、空港関係機関との連絡調整を行う仕事であり、ドクターヘリ運航の要です。ドクヘリのチームは朝にCSの進行により、その日の気象情報、イベント、操縦士・整備士・フライトドクター・フライトナースの体調など含め顔合わせをしながらブリーフィングというミーティングを行います。
今でこそドクターヘリは多くの県にありますが、1995年の阪神淡路大震災の時には日本の災害医療の体制というのは整備がなされていませんでした。このときの苦い経験を通じて、ドクターヘリや災害医療体制への取り組みが開始されました。DMAT (Disaster Medical Assistant Team)という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、特に災害時の急性期に活動をする医療チームです。災害が発生した時に、全国の病院にいるDMATチームが被災地へ向かうべきかどうかを注視し、必要があれば出動の準備をします。被災地の県からの要請を受けて、要請を受けた県は各病院へDMATチームの派遣要請を出します。災害時のドクターヘリの要請も県からの指示で被災地へと飛んでいく体制作りがなされています。
地球は地殻変動期に入り、異常気象も多く認めます。日本が懸念している南海トラフ地震がいつ発生しても不思議ではない状況です。自然災害を前に、我々人間は無力であることを思い知らされますが、減災するための手段を模索していくしかありません。いざ、災害が発生したら、できる限りの協力体制で被災地・被災者へのサポートをするしかありません。

略歴:

1995年 愛媛大学 医学部医学科卒業

1995年 日本医科大学 高度救命救急センター・救急医学教室入局

    (山梨県立中央病院・日本医科大学多摩永山病院・会津中央病院)

1997年 済生会神奈川県病院外科

1999年 日本医科大学 高度救命救急センター

2001年 会津中央病院救命救急センター

2002年 テキサス大学 外科・外傷センター

2006年 日本医科大学 高度救命救急センター

2010年 日本医科大学 多摩永山病院救命救急センター 病院講師

2011年 京都大学 初期診療・救急医学 講師・准教授

2017年 愛媛大学 救急航空医療学講座 教授

2019年 愛媛大学 救急医学講座 教授

 

【専門領域】救急医学・集中治療医学・災害医療・外傷外科学・人工呼吸療法・侵襲期代謝栄養学

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